フラメンコに興味を持って頂いた方に簡単にフラメンコの歴史と成り立ちを解説します
不思議と多くの人々を魅了する「フラメンコ」はスペイン南部、アンダルシアで生まれました。
◇ジプシー達の歌から始まった・・
現代では踊りがもっぱら中心的にとらえられるフラメンコも、ロマ族(ジプシー=スペイン 語でヒターノ)のカンテ(歌 )がその発祥の根を作ったと言われています。
仲間内の喜怒哀楽の語らいからおのずとリズムと旋律が生まれ、テーブルを叩き、ギターという楽器が加わり、男も女も踊り出し・・・
やがて洗練、形式化されて行ったのが、現代のフラメンコの大本の形と考えられています。
その誕生の歴史は意外と浅く、19世紀初頭とも言われます。
◇見せる、魅せられるアートへ
20世紀になると、フラメンコは公共の場で上演されるようになります。そしてスペイン固有の芸術として大きく発展をとげました。
多くのアーティストがうまれ、フラメンコは仲間内の楽しみから大衆の楽しみへと変わって行きます。
テレビ普及と相まってカンテのカマロン・デ・ラ・イスラやギターのパコ・デ・ルシアなどの
革命的アーティストが出現、フラメンコの認知度は一気に世界的に広がりました。
◇そして個性の時代へ
フラメンコの歴史は「伝統と革新の歴史」であると言えるでしょう。インターネットの普及した現在では、より個性を重視する風潮が見られます。
また一方で伝統に回帰する動きも見られます。またフラメンコがプロフェッショナル達だけのものではなく、大勢の愛好家によって支えられているということが再認識されたと思われます。
これからもフラメンコは進化し続けていくことでしょう。しかし今もなお、家族や仲間同士でテーブルを囲んで、歌い、奏で、踊りながら楽しむという原初の喜びが、このアートの根幹を支えていることに間違いはありません。