以前パルマを習いに来てくれていた伊佐久美(いさ くみ)さんが講談社絵本新人賞を受賞。絵本が出版されました。
新人絵本作家の登竜門として知られる「講談社絵本新人賞」。
1979年に創設され、歴代受賞者にはかがくいひろし氏、シゲタサヤカ氏(佳作)、石川基子氏など、絵本界の綺羅星のような才能を輩出しています。新人賞受賞作品は、単行本として刊行されるため、絵本作家デビューを目指す多くの人が、こぞって応募します(21年度は579作品が集まりました)。
出典:コクリコ
ネタバレになるのでストーリーなどはここに書けませんが・・・。感想です。
・シュールなテーマに驚愕。
・独特の配色と構図に魅了された。
・「好奇心」「欲望」という原点について考える機会となった。
・「何かを教える」感じが全くないところが気持ちいい。
■まず「タコ」と「だいこん」という自然界では絶対交わることのないであろうシュールなテーマに、作者の妄想の奥深さを見た気がしました。伊佐さんは非常に上品な感じの方で、話し方も優しく、普段は和菓子屋さんで働いている方なんですが、その魂にはアートが息づいているのを再確認しました。
シュールには、「非日常的・超現実的である様子」「不条理な様子」という意味があります。「極めて独創的だ」といった意味でも使用されることがあります。特にお笑いや芸術などの場面で使われることが多く、その場合には高度な芸術性を指す意味でも使用されます。
■私好みのダークな配色。そして構図が大胆だなー。と思いました。視野いっぱいにだいこんの葉がひろがっていたり、1ページ真っ暗で一言「タコのかち」というページがあったり。短いストーリーを絵の力で読者の想像力を掻き立てる魅力があります。最近美術館もいってないし、絵本などみるのも久しぶりだったのでアートな気持ちを呼び戻してもらえました。
■人間の(タコの)欲望から目を背けることなく、また美化することもなくありのままに表現していると思います。突き詰めて言うと「キレイごとではない現実」を淡々と語る作者の姿勢に共感しました。
それを「善・悪」の評価をしてないところがまた私好みです。
■絵本といえば教育的な感じを連想する方もいそうですが、この作品では「教える」という感じをまっっったく感じないので気持ちがいいです。仮に子供がこれを読んだとしたら解釈はその子次第。100人いれば100人違うだろうなと想像できます。でも全ての子供がなにかを妄想するだろうな。と思いました。
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